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娘の話を聞かない母親に抱く無力感

 

 

「子供の頃から、母は私の話を聞こうとはしなかった」。最初のうちはそぶりだけはしていたが、そのうち、まともに聞こうとするふりをすること自体、辞めたようだった。

 

こう話すの30代のKさんは、都内の不動産会社に勤務しし3年前から一人暮らしをしています。千葉県にある実家に帰るのはお正月とお盆の休みぐらいで、電車に乗れば1時間半ほどですが、どうしても足が向かないと言います。

 

たまに母親から食品などが宅配で送られてくるそうですが、お礼のメールを出すのもためらわれるそうです。なぜなら、それをきっかけとして、母親が「たまには実家に帰ってこい」と言ってくるからです。

 

Kさんは極力、母親と連絡を取らないようにしています。

「これだけ、私があの人のことを避けているのに、それに気づいていないのです」

 

もしこれが友人だったら、母親もさすがに「私と連絡取る気がないのだな」と感じるのでしょうが、娘となるとどうも母親の目は曇りがちです。というか、娘から「もうメールしないで」とはっきり宣言しない限りは、母親は絶対に認めようとはしません。

 

「まさか、娘が自分を避けているなんて」

絶対に受け容れたくないですし、その前に、まずそうした概念がないのです。親子なのだから、避けるとか、嫌がるとか、そんなことを娘が思うはずがないではないか。

 

よく、テレビなどで